タイ中部と北部の間で貨物を動かす会社は、鉄道のほうが安いはずだと聞く一方で、なぜほとんど誰も使っていないのかと不思議に思うことが多い。正直な答えは、今日の北部行き鉄道が実際に何なのかから始まる。それはバンコク発の一般貨物サービスではない。時刻表が公表されている北部行きのサービスは、レムチャバン港とランプーンを結ぶコンテナ列車である。
そうなると問いはずっと狭くなる。鉄道が本当の選択肢になるのは、貨物が海上コンテナに入っていて、港へ出るか港から来るもので、発地か着地がランプーン駅からトラックで短い距離にある場合だけだ。当てはまるなら、本稿は正しい費用の出し方を示す。当てはまらないなら、なぜトラックが今も標準の答えなのかを示すので、同じ問いを何度も蒸し返さずに済む。
北部行き鉄道が実際に提供しているもの
タイ国鉄のコンテナのページには、時刻表どおりに走るコンテナ路線が、それぞれの時刻と価格とともに掲載されている。そのうち1本が北へ向かう。レムチャバン港〜ランプーン、665・666列車、線路距離866kmである。
| 地点 | 港からの距離 | 時刻表 |
|---|---|---|
| レムチャバン港 | 0km | 09:15発 |
| ピチット | 484km | 18:41着 |
| バーンマイ | 512km | 19:41着 |
| ランプーン | 866km | 翌日05:25着 |
ページには所要時間が20時間40分と書かれているが、同じページの時刻を計算すると20時間10分になる。鉄道側がどちらが正しいか確認するまでは、長いほうの数字で計画しておく。
公表価格は20フィートコンテナ1本9,140バーツ、往復で、積載定格46トンの貨車を使う。貨車1両には20フィート2本、またはそれより長いコンテナ1本を積む。この路線には40フィートの運賃が掲載されていないので、40フィートの荷主は個別に問い合わせる必要がある。
列車1本まるごとなら、もう一つの商品は貸切列車だ。鉄道側の業務命令は貸切列車に積み卸し10時間を認め、それを超えると1日20,000バーツを課す。原油やセメントが鉄道で動く規模、つまり列車単位の量を持つ荷主向けであり、ほとんどの会社にはそこまでの量はない。
なぜ後半のほうが遅いのか
時間がどこで消えるかは時刻表そのものが示している。港からピチットまでは平均時速約51km、ピチットからランプーンまでは約36kmである。
理由は線路にあると考えられる。鉄道運輸局によると、全国の路線網の70%はいまだに単線だ。複線は現在バンコクからナコンサワンまで通っている。ナコンサワンからデンチャイを経てチェンマイまでは、複線化の閣議承認申請を準備している段階にある。単線では列車は駅でしかすれ違えないので、対向列車を待たなければならないことがある。
計画上のポイントは二つある。
- 北側の区間は遅れを取り戻すのが最も難しい。 単線で遅れた列車には時間を取り戻せる場所が少ない。
- 時刻表は輸送時間ではない。 ラートクラバンのシャトル列車では、2時間45分の時刻表が、待ち時間と荷役を数えると実測平均22時間超になった。時刻表で計画する前に、ランプーン行き列車の実際の到着記録を求めること。
公表運賃は軽油1リットル18バーツ時代の運賃
9,140バーツには燃料費が含まれておらず、その燃料費は小さくない。
鉄道側は燃料費を別の差込表で公表している。貨車1両・1運行あたりで、距離と軽油の平均価格によって決まる。表は1リットル18.20バーツから始まり、この距離ではそこでの燃料費は7バーツだ。言い換えれば、基本運賃は軽油がまだ約18バーツであるかのように設定されており、それを上回る分はすべて燃料費として戻ってくる。表は空車の運行にも積車とまったく同じ額を課している。
ランプーンを含む861〜880kmの距離帯で、20フィート1本に何が起きるかを示す。ここでは2本が1両を共有し、貨車が積車の往路と空車の復路の両方で燃料費を課されると仮定している。表の2つの列はそう読めるが、どちらも鉄道側に確認すること。
| 軽油平均価格 | 貨車1両・1運行の燃料費(バーツ) | 20フィート1本、往復、貨車共有 | 1本あたり運賃+燃料費 |
|---|---|---|---|
| 18.20〜18.25 | 7 | 7 | 9,147 |
| 29.76〜30.00 | 2,261 | 2,261 | 11,401 |
| 38.76〜39.00 | 4,002 | 4,002 | 13,142 |
表の最上段では、燃料費が公表運賃を43.8%押し上げる。20フィート1本だけで1両を使うと、貨車1両分の燃料費8,004バーツをすべて負担し、合計17,144バーツになる。目安として、軽油価格が1バーツ動くごとに、貨車を共有する20フィートの往復費用は約193バーツ動く。
もう一つ落とし穴がある。表は1リットル39.00バーツで終わっている。2026年9月15日、エネルギー政策計画局は店頭の軽油価格を40.69バーツとしていた。鉄道側の平均価格が店頭価格とは限らないが、ページからリンクされた差込表には39バーツを超えた場合の扱いが書かれていない。何かを比較する前に、輸送する月の燃料費を数字で、書面で入手すること。
鉄道運賃に含まれていないもの
鉄道運賃は駅から駅までだ。両端の作業はすべて荷主側の負担で、鉄道側の業務命令はそれを具体的に定めている。
- 吊り上げは荷主がやる。 駅では、荷送人または荷受人が自らコンテナを貨車に積み、降ろす。1〜5両なら合計4時間。超えると貨車1両1日2,000バーツ、1日上限20,000バーツで、1日未満も1日と数える。レムチャバンでは5両までで1時間しかない。
- 北側でもトラックは必要。 自社拠点からランプーン駅まで、そして空コンテナの戻り。鉄道の両端それぞれに別建ての短距離トラック輸送があり、別に値段がつく。
- 1週間前に予約し、予約した分を払う。 往路・復路の貨車は輸送日の7日以上前に予約する。変更は2日前までに通知。発車前2日以内の取消は1両2,000バーツ。理由を問わず予約より少なく積めば、予約両数分の運賃を全額払う。
- 書類の遅れは高くつく。 税関書類がそろわず取り卸せなければ留置料が発生する。3日経つと鉄道側がコンテナを自ら降ろすことができ、貨物について責任を負わない。
- コンテナは組にできなければならない。 同じ貨車の20フィート2本は総重量の差が5トン以内で、異なる埠頭へ向かうものであってはならない。埠頭の規定に違反すると1両10,000バーツ。
どれも鉄道を避ける理由ではない。鉄道の見積書に現れないコストの一覧であり、比較を公平にするには、それぞれに数字を入れる必要がある。
時間:時間単位ではなく日単位で数える
トラックは荷物がそろえば出発する。列車は時刻表どおりに出発し、しかも1週間前に予約しておかなければならない。これで時間の数え方が変わる。
道路側では、長距離路線にかかる時間を決めるのは距離ではなく運転手の法定の1日だ。1時間ずつ積み上げると、700kmの路線は運転手1人でドアツードア27時間強になった。つまり輸送当日だけを見れば、鉄道は運転手1人のトラックより大幅に遅いわけではない。
コストはその前後の日数にある。
- 定時発車までの待ち
- 両端の積み卸し時間枠
- 駅との間を往復するトラック区間
- コンテナが船会社の手を離れている日数の増加
お金がかかるのは最後の項目だ。コンテナが鉄道ヤードにある間も、船会社のフリータイムは止まらない。その日数に対するディテンションとデマレージは、運賃の節約を帳消しにしかねない。船会社にフリータイムが何日あるかを確認し、鉄道案で増える日数と比べること。
地方の鉄道網はまだ小さい
2025年、タイの鉄道は13,132,925トンの貨物を運んだ。鉄道運輸局の月次データによれば、そのうち8,086,904トンはラートクラバン〜レムチャバンのコンテナシャトルだった。データ上のそれ以外の国内コンテナ流動は、すべての地方路線を合わせて2,411,535トン、鉄道貨物全体の18.4%である。
これはサービスへの批判ではなく、計画上の事実だ。輸送量が薄く、北側が単線の路線網では、乗り遅れや急増を吸収する余力が小さい。量を約束する前に、ランプーン行き列車がどれくらいの頻度で走るのか、普段どの程度埋まっているのか、1本が運休したら自社のコンテナはどうなるのかを確認すること。
北部行き鉄道が割に合うとき
鉄道が有利になりやすいのは、次のすべてが当てはまるときだ。
- もともとレムチャバンを出入りするコンテナである。 輸入か輸出であり、先にコンテナに詰める必要がある国内配送ではない。
- 拠点がランプーン駅に近い。 トラック区間が短いほど両端のコストは下がる。
- 量が安定していて1週間前にわかる。 予測どおりに予約し、予約した分を埋められる。
- コンテナを組にできる。 重量が近く同じ埠頭へ向かう20フィート2本で、貨車の燃料費を分け合える。
- 貨物が待てる。 急ぎではなく、船会社のフリータイムが増える日数をまかなえる。
- ランプーンで信頼できる吊り上げ業者がいる。 誰がそこで荷役機器を扱い、いくらかかるかを把握している。
トラックが有利になりやすいのは、次のどれかが当てはまるときだ。
- バンコクの倉庫から北部の店舗や顧客へ送るパレット貨物である
- 急ぎ、または不定期の注文である
- 拠点がランプーン駅から遠い
- 40フィートで、まだ運賃の提示がない
- フリータイムが短い
- 軽油価格が高く、燃料費がわからない
鉄道の見積りを依頼する前にやること
- 適合性を確認する。 コンテナか、レムチャバンを出入りするか、ランプーンに近いか。そうでなければ答えはトラックで、ここで終わりにしてよい。
- 同じ仕事の道路の価格を取る。 港から自社拠点まで行き空コンテナを戻す、1本あたりの往復価格。これが鉄道が下回らなければならない数字だ。
- 鉄道の価格を書面で、漏れなく取る。 運賃、今月の燃料費の具体的な数字、空コンテナの復路に燃料費がかかるか、必要なら40フィートの運賃。
- 両端に値段をつける。 ランプーンでの吊り上げ、自社拠点との往復トラック、港の鉄道ヤードでの料金。
- 日数に値段をつける。 船会社のフリータイムと鉄道案で増える日数、発生しうるディテンション。
- 判定する。 道路価格から鉄道の運賃と燃料費を引いた差が、両端のコストと増える日数のコストの合計より大きいときに限り鉄道が勝つ。鉄道の運賃と燃料費が下限であり、燃料表の最上段では1本13,142バーツになる。道路の往復見積りがこの下限を下回るなら、両端がいくらであっても鉄道は勝てない。
- 約束する前に試す。 組にしたコンテナを数本送り、実際のドアツードア時間とすべての料金を記録してから決める。
北部行き鉄道は当然に安いわけではなく、かといって見込みがないわけでもない。特定の種類の貨物のための特定の商品である。公表運賃、燃料費の差込表、業務命令で、費用を出すのに必要な情報のほとんどはそろう。残りは、鉄道側と船会社に宛てた書面での質問がいくつかあるだけだ。
