ほとんどの輸送現場は自分の納期遵守率を持っているが、それを他社のものと比べられる現場はほとんどない。この数字は事実である前に定義であり、その定義こそ誰も書き留めていない部分であることが多い。
これは二つの方向で効いてくる。自分に都合のよい数字を報告すれば、本当の問題は最後まで課題として立ち上がらない。運送会社の数字を、どう作ったかを問わずに受け取れば、測られたことのない成果に金を払うことになる。
本稿が扱うのは一つの指標だけである。正直に測ること、そして動かすことだ。
車が動く前に数字を決めてしまう六つの選択
納期遵守率はどれも六つの決定の上に成り立っている。どれか一つを変えれば、配送は一件も変わらないのに数字が変わる。
- どの約束を守るのか。 顧客が求めた日、こちらが確認して返した日、配車計画に載っている日。この三つは別々の数字で、最後のものが一番当てやすい。
- 何を一単位として数えるか。 注文全体か、注文の一明細か、一回の配送か。10明細の注文が1件の失敗になるか10分の1になるかはここで決まる。
- 時計をどこで止めるか。 門への到着か、荷卸し場からの解放か、受領書の署名か。
- どれだけの許容幅を置くか。 当日中か、時間枠内か、1時間以内か。そして早着を遵守と見るか失敗と見るか。
- 誰の責任を除くか。 多くの現場は顧客が原因の分を静かに除外し、その結果を除外していない数字と比べる。
- 分母に何を入れるか。 これが最も大きく、次の節で扱う。
パーセントを議論する前に、この六つを一枚の紙に書くこと。同じ荷物を同じ車で運ぶ二つの現場が、どちらも正直なまま5ポイント違う数字を報告できる。その差はすべてこのリストの中にある。
タイの算式と、そこで掛け合わされるもの
この指標がどういう形をしているか、タイには公式の答えがある。工業省が工業物流パフォーマンス指標を運用しており、9つの物流活動を費用、時間、信頼性の3つの次元で見て、指標は合計27ある。これで評価された工場は、1,200社を超える全国データベースと比較される。
納入の信頼性の指標がDIFOT、完納かつ納期遵守である。算式は多くの人が思っているものとは違う。完納でも納期遵守でもある注文の割合ではなく、二つの分数の掛け算である。
DIFOT =(完納した注文 ÷ 納入済みの注文)×(納期どおりの注文 ÷ 納入済みの注文)× 100
同局自身の例は、年間の納入済み6,340件、うち完納6,280件、納期遵守6,300件を使う。6,280 ÷ 6,340 = 99.05%、6,300 ÷ 6,340 = 99.37%、これを掛けて 98.43% となる。
この形から二つのことが出てくる。
欠品と遅れが同じ一つの点数に入る。 それぞれ99%の二本を掛ければ98.01%であって99%ではない。納期だけ直して欠品を放置した現場は、総合の数字がほとんど動かないのを見て、施策は失敗したと結論する。
完納とは全明細のことである。 公式の注記は明確で、注文書のどれか一項目でも納入できなければ、その注文全体が完納ではない。10明細の注文で1明細欠けるのは10%ではなく、一件まるごとの失敗である。
分母にあるのは、届いた注文だけ
ここは、この数字を誰かに伝える前に知っておく価値がある。
同局自身の説明は、すでに顧客に納入された注文だけを数えると明記している。会社の帳簿に10,000件の注文があっても、この指標はまだ顧客に届いていないものをすべて無視する。
したがって、3週間遅れてまだ自社の倉庫にある注文は失敗ではない。そもそも計算の中にいない。ようやく出荷された日に分母へ入り、そのとき直した日付どおりに届けば納期遵守として数えられることさえある。
確定注文が1,000件あった月を考える。月内に納入できたのが960件、月末時点で未納が40件。納入した960件のうち、合意した日に届いたのが900件、完納で届いたのが930件。
- 公式のやり方:(930 ÷ 960) ×(900 ÷ 960)× 100 = 90.82%
- 確定注文すべてに対して:(930 ÷ 1,000) ×(900 ÷ 1,000)× 100 = 83.70%
差は7.12ポイントで、その一点一点が誰も受け取っていない注文である。これは公式の指標をやめる理由ではない。タイの産業ベンチマークが比較に使うのはこちらなので、そのまま報告すればよい。ただし毎月その横で二つ目の数字も出すこと。両者の差は、建物から一度も出ていない仕事の純粋な件数だからである。
同じ月を、輸送部門の側で採点する
同じ指標体系には、この指標のもう一段下の版がある。輸送の指標は、輸送部門が受け取った配送指示の件数、そのうち指示どおり数量を納めた件数、合意した期日に納めた件数を数える。
何が変わったかに注意したい。分母はもう顧客の注文ではない。輸送に渡された指示であり、時計はその指示に書かれた期日である。
同じ月を続ける。輸送部門は納入した960件すべてをカバーする指示を受け取った。要求期日を満たしたのが930件、渡された書類どおりに数量を納めたのが950件。顧客のところでは遅れたのに指示に対しては期日どおりだった30件は、顧客の期日がすでに達成不能になった後に輸送部門へ届いた注文であり、指示には最初からより遅い日付が書かれていた。
- 輸送部門の点数:(950 ÷ 960) ×(930 ÷ 960)× 100 = 95.87%
同じ月、同じ車両で、いずれも正当な三つの数字。
| 採点のしかた | 結果 |
|---|---|
| 輸送部門、自部門の指示に対して | 95.87% |
| 納入済みの顧客注文、公式の分母 | 90.82% |
| 確定注文すべて、未出荷分も含む | 83.70% |
差こそが要点である。
- 83.70から90.82、7.12ポイント: そもそも出荷されなかった注文。
- 90.82から95.87、5.05ポイント: 車に届いた時点で手遅れだった注文。
- 95.87から100、4.13ポイント: 車両と道路が実際に起こしたこと。
多くの現場は三つのうち一つしか計算せず、最後の4.13ポイントを巡って議論し、その上にある12.17ポイントを一度も見ない。上の二行が測られないまま運送会社に数字を迫るのは、一番小さい塊を押していることになる。
公式の時計はどこから始まり、なぜこちらに有利なのか
同じ体系は時間も測っており、その境界の引き方は真似する価値も、意識して拒む価値もある。
受注サイクルの指標は、会社が顧客の注文の受領を確認した時点から顧客が商品を受け取るまでの日数を数える。時計はこちらの確認から動き出す。顧客が注文を出してからこちらの窓口が受け付けるまでに起きたことはすべて測定の外なので、遅い受注窓口はむしろ点数をよくする。注文が未確認のまま滞留するなら、受領時点からも測ること。その差が、いま誰も持ち主のいない数字である。
配送の指標は、商品を車両に積み込む時点、すなわち倉庫から出庫する時点から顧客が受け取るまでの日数を数える。ここから二つ出てくる。ピッキング済みの荷が積み込みを待つ時間は含まれないが、忙しい出荷場でそれは短くない。そして単位が日であり、時間単位の約束にはあまりに粗い。当日配送や時間枠つきの約束には、分単位の自前の時計が要る。
これらを定めたハンドブックは、年に一度やるとよい整合性の確認も示している。受注サイクル時間は、受注処理、調達、荷役、保管、配送の各時間の合計を超えるべきではない。もともと同じ工程を分けて測っているからである。合計が自分の部品より長いなら、どの部門も名乗り出ていない時間が使われている。
時計を止める場所も同じだけ気を配る必要がある。13時40分に門へ着き16時20分に解放された車は、どちらの時刻を記録するかで納期どおりにも3時間近い遅れにもなり、どちらにも言い分がある。一つを選ぶこと。そして顧客が設ける納品時間枠は到着時刻ではなく車両の一日の一区画に対する予約であり、一度も守れない時間枠は納期の問題である前に車両台数の問題だと知っておくこと。
約束そのものも、実際にどれだけかかるかの上に組み立てなければならない。地図の答えで日付を決め、その路線の本当の戸口から戸口までの時間で決めなければ、最初から達成できない数字になり、どんな改善活動でも救えない。
到着時刻を議論の外へ出す
到着時刻が運転者の言うとおりの時刻であるなら、ここまでの話は成り立たない。
タイではその必要がない。運行データ記録装置の規定がかかる貨物車には、位置、速度、時刻を記録し、陸運局へ5分以内ごとに送信し、データを6か月保存する装置が載っている。つまり過去6か月の全運行の到着時刻と出発時刻は、納品書とは別にすでに存在している。同じ記録が工場門前での待機時間の争いを決着させるものでもある。
運転者の申告でも顧客の苦情でもなく、これを測定の出どころにすること。議論できる指標は、改善される代わりに議論される。
実際に動かすもの
この指標体系で評価されたタイの工場二社が、同じ型を示している。
北部の大手乳業工場は500社を超える顧客に2日周期で配送し、経路は計画担当者の経験で手作業に引かれていた。輸送費は売上の9.5%、DIFOTは 80% だった。経路を積載量と時間枠の制約つきの配送計画問題として組み直し、表計算のソルバーで解いた結果、費用は23.7%下がり、DIFOTは 95% に上がった。
チェンマイの中堅医療機器販売会社は、約1,000品目、顧客450社、月1,300件の注文を自社車両で配送し、割り当ては経験にもとづく紙作業だった。DIFOTは 85%。輸送管理システムが受注処理、割り当て、追跡、報告を引き受けた。管理に要する時間は80%減、費用は25%減、追跡可能性は100%、DIFOTは 97% に上がり、5か月で元が取れた。
どちらも車を買っていない。どちらも運転者を締め上げていない。どちらも変えたのは車両が出る前に下される判断であり、どちらも費用が下がりながら信頼性が上がった。この種の議論の背後にある通常の前提、すなわち定時性は金で買うものだという前提とは正反対である。ある水準より下では、それは買うものではない。配車の判断から当てずっぽうを取り除いたことの見返りである。
どこで止めるか
信頼性は上に行くほど高くつく。サービス水準の費用は100%に近づくほど急に上がるので、95%から97%への2ポイントは70%から72%への2ポイントよりはるかに高く、しかも顧客はその差に気づかないことがある。
総合指標はそれをさらに悪くする。納期遵守95%、完納98%、無損傷99%、ピッキング正確97%、請求正確94%の五本が走っているとする。掛け合わせると、何一つ問題のなかった注文の割合は84%になる。総合を上へ追うのは五つの戦線で同時に戦うことであり、費用のかかる戦線はたいてい顧客が苦情を言っている戦線ではない。
だから顧客が実際に気づく一本を選び、そこに目標を置き、残りは測るだけにしておくこと。
手順
- 定義を書き出す。 六項目すべてを一枚に、日付を入れて。
- 先月を三通りで採点する。 輸送部門を自部門の指示に対して、納入済み注文を公式のやり方で、そして確定注文すべてで。二つの差を出す。
- すべての失敗を三つの箱のどれかに入れる。 出荷されなかった、輸送に届いた時点で手遅れだった、輸送自身の責任。この三つの箱は、先の三つの差そのものである。
- 一番大きい箱から手をつける。 多くの現場ではそれは三番目ではない。
- 何回遅れたかではなく、どれだけ遅れたかを測る。 20分の遅れと2日の遅れはパーセントの上では同じ一つの印だが、受け取る側にとっては別物である。時間数で数えること。
- 定義を12か月固定する。 定義を変えれば数列はそこで切れる。定義変更から生まれた改善は、測らないことより悪い唯一のものである。
この方法で出てくる正直な数字は、いま報告されている数字よりほぼ確実に悪い。そこが役に立つ点である。三つの差は成績表ではない。順番のついた作業リストであり、それぞれの大きさまですでに付いている。
