輸送費を 10% 下げろと言われた人がいます。そこで運賃を交渉し直し、ルートを組み直し、運送会社に圧力をかけます。
その一方で、その会議にいる誰にも変えられない三つの数字が、請求額の大半をすでに決めてしまっています。営業側が設定したもので、たいていは何年も前に、たいていは午後ひとつで決まり、その日その場にいた誰ひとりトラックのことを考えてはいませんでした。
その三つとは、受注の締め時刻、リードタイム、最低ロットです。この三つが合わさって、あなたが何か所の立ち寄りを買うのか、車がどれだけ積んで出るのか、そして配車担当の手元に打つ手が残るのかを決めています。自社のものを検証する手順は次のとおりです。
三つの数字と、その二つ目の意味
それぞれに、目に見える商務上の意味と、誰も値段をつけていない二つ目の意味があります。
| ルール | 営業にとっての意味 | 輸送にとっての意味 |
|---|---|---|
| 締め時刻 | 客が明日の分をいつまで注文できるか | 車両を確定する時点で明日をどれだけ見られるか |
| リードタイム | どれだけ速く届けると約束するか | 注文が同乗者をどれだけ待てるか |
| 最低ロット | 受ける価値のある最小の注文 | 立ち寄りを何か所買っているか |
お金があるのは右の列で、左の列からはそれが見えません。それが問題のすべてです。これらの数字を決める人たちは左の列を最適化しており、右の列は視界に入っていません。
まず、三つすべてを成り立たせている前提。立ち寄りには固有の値段がある
多くの人が頭に持っている運賃の費用モデルには項がひとつしかなく、その項は距離です。
配送が実際にどう原価計算されるかを見てください。単一の倉庫から第三者の運送会社を通じて配送するタイの建材店について、コンケン大学の研究者がその日々の計画をモデル化しました。組み立てざるを得なかった費用関数には、独立した項が三つあります。
- 車両 1 台 1 便あたりの固定費
- 1 キロあたりの変動費
- 納品先 1 か所あたりの配送費
三つ目こそ、多くの人の頭から抜け落ちている項であり、小口注文を高くしているのもこれです。荷台から降ろすのが 50 キロでも 3 トンでも、立ち寄り 1 か所の値段は同じです。
理由は時間を見ればわかります。客先での荷降ろし時間は、通路や現場の設備しだいでおよそ 10 分から 25 分の固定部分と、車上の量に応じた変動部分に分かれます。注文の大きさを知っているのは変動部分だけです。固定部分は立ち寄りそのもの、つまり門を探し、守衛台に寄り、書類を出し、署名する人を見つけることです。
つまり 1 件の注文の費用は、1 便の分担分、その距離分、そして立ち寄り 1 か所です。三つ目を覚えておいてください。以下の三つのルールはどれも、結局これについてのルールです。
ルール 1:締め時刻は、どれだけ見えるかを決める
一日の配送を組むのはマッチングの問題です。組み合わせられるのは見えている注文だけです。締め時刻とは、それ以上見るのをやめて確定しなければならない瞬間です。
締め時刻が実際に何を買っているのかを、ある請負運送会社のデポで見てみます。受注は正午で締まります。午後は配車計画とピッキング指示書の作成に使われ、翌日分の緊急注文を差し込む時間もあえて残されます。翌日の午後に商品がピッキングされ、帰着した運転者が積み込みます。配送はその翌日です。正午の締め切りが一本あるだけで、その下流のすべてに動く余地があります。
ではその締めを 17 時に動かして、何が起きるか見てください。配車担当は夕方か翌朝に、より短い滑走路の上で積み合わせを組むことになり、ピッキングと積み込みはその後ろに押し込まれます。不可能なことは何もありません。ただ、あらゆる判断がより少ない情報とより少ない時間の下で下されるだけで、それが表に出てくる形が、追加の車両なのです。
その「まとめられる母集団」はいくらの価値があるのか。 これを直接測ったタイの事例があります。4 社の自動車組立工場向けに集荷便を走らせる物流会社は、毎日、実データを使い、仕事を知る人の手で配車していました。しかし集荷地点をすべて 4 つの時間帯のどれかに振り分け、ルートに時間帯をまたがせず、行き先の工場ごとにルートを分けていました。車両利用率は平均 58.07% で、丸一年、毎月自社の 80% 目標を下回っていました。
研究者は配車のやり方を何ひとつ変えていません。需要も車両もアルゴリズムも同じです。4 つの時間帯を 2 つに統合し、1 つのルートが近接する 2 工場に納められるようにしただけです。利用率は 92.60% になり、費用は 58.52% 下がりました。
この研究が扱っているのは締め時刻ではなく時間帯ですが、仕組みは同じで、はっきり言う価値があります。一緒に運んでよい注文の母集団が広いほど、トラックは満載に近づきます。 締め時刻とは母集団の幅についてのルールを、時間で引いたものです。1 時間早めるたびに、明日の分がより多く同じ母集団に入ります。
自社のものは午後ひとつで検証できます。 4 週間分の注文を取り、それぞれが届いた時刻を記録します。次に、ある配送日の物量の累積比率を、注文された時刻に対して描きます。たいていは、午後の早い時間までに 70% が入っていて、最後の数時間は細い尾を引くだけ、という形になります。締めが 17 時で曲線が 15 時以降ほぼ平らなら、締めを 15 時に動かしてもサービスはほとんど落ちず、計画時間が 2 時間手に入ります。16 時 30 分でもまだ急に立ち上がっているなら、顧客は本当に遅く注文しており、その締め時刻は実際に仕事をしています。どちらにせよ、もう推測ではなくなります。
ルール 2:リードタイムは積み合わせの窓であり、使っていない窓をすでに持っているかもしれない
リードタイムは、本当は速さの約束ではありません。輸送の側から見ればそれは許可証です。1 件の注文が、出発しなければならなくなるまで、どれだけ同乗者を待って座っていられるか。
リードタイムが 1 日なら、注文は同時に届いた注文としか一緒に動けません。3 日あれば、そちらへ向かう車がもともと出る日まで待てます。
反対側には現実の費用があり、これは正直に述べるべきです。長いリードタイムを埋めるために誰かが在庫を持ちます。たいていは顧客です。そして全国規模で見れば、そこは費用を移して構わないような小さな山ではありません。NESDC はタイの 2024 年の輸送費を 1 兆 2,006 億バーツ、物流費全体の 47.9% とし、在庫保有費を 1 兆 1,221 億バーツ、44.7% としています。ほぼ同じ大きさの山が二つです。約束したリードタイムを延ばすことは、一つ目の山から二つ目へお金を動かすことであり、計算が要ります。
ただし、ここには異なる二つのレバーがあり、在庫を増やすのは片方だけです。
- 約束したリードタイムは、顧客がどれだけ前に注文しなければならないか。延ばせば顧客の負担が増えます。
- 出荷ウィンドウは、受注済みの注文を出発までどれだけ手元に置けるか。広げても、約束どおり届く限り誰の負担も増えません。
ほとんどの現場は二つ目を黙って手放しています。3 日と約束しておいて何もかも翌朝の便で出しているなら、2 日分の積み合わせ許可を握ったまま一切使っていないということです。注文はすでに受け、商品はすでに自社の倉庫にあり、顧客の期待はすでに 3 日目に設定されています。同じ方面の 2 件目を待ってもう 1 日置くことは、何の費用も生まないのに、1 便を半分にすることがあります。
そこから出てくるルールは短いものです。注文が届いた日ではなく、約束に合わせて出す。 そうすれば、静かな方面の小口注文にも座って待つ場所ができます。
歯止めが二つ要ります。でないとサービスの問題に変わります。
- 地域ごとの出荷曜日を公表する。漠然とした約束にしない。 「東北方面の注文は火曜と金曜に出ます」は顧客が計画を立てられる時刻表です。「だいたい 3 日」は、誰かが日数を数え始めた日に破ることになる約束です。
- 緊急の経路を開けたまま、値段をつけておく。 上のデポは注文を先付け・通常・緊急の三区分で持ち、緊急が収まらないときは外部の車両を入れていました。それが積み合わせの窓を誠実に持つやり方です。窓は通常の注文のためにあり、本物の緊急には時刻表ではない扉がある、ということです。
ルール 3:最低ロットは、変装した納品ロットである
最低ロットは、どの顧客を持つ価値があるかという商務ルールに見えます。実際にはそれは、立ち寄りを何か所買い、どの車が要るかを決める設定です。頻度が費用を生むかどうかを決める「積載量で割る」テストを、一週間分ではなく 1 件の注文に当てただけのものです。
これは議論するよりモデル化すべきことで、少なくとも 1 社の大手清涼飲料メーカーはまさにそうしています。最低ロットと納品ロットをいろいろ変えて配車ソフトにかけ、それぞれが何をもたらすかを見るのです。最低ロットを下げれば売上も配送費も上がるからで、両者は一緒に動き、切り分けられるのは算術だけです。
その算術を、1 便の上でやってみます。
6 輪車で往復 180 キロ。タイの研究がその車型について示した数字、1 便 2,505.25 バーツの固定費と 1 キロ 6.45 バーツを使います。
2,505.25 +(180 × 6.45)= この 1 便で 3,666.25 バーツ。まだ誰も立ち寄りのことを考えていません。
24 立方メートルを 8 か所に分けて降ろすとし、そのうち 1 か所が 0.4 立方メートルの小口注文だとします。
- 容積で按分する。 多くの原価計算がやっていることです。0.4 ÷ 24 = この便の 1.67%、すなわち 61 バーツ。その注文はほぼタダに見えます。
- 食べた車両日で按分する。 8 か所を 1 か所およそ 30 分で 4 時間、180 キロを時速 60 キロで走ればさらに 3 時間なので、この便はほぼ車両の使える一日を丸ごと占めます。立ち寄りとそこへ回り道する分はおよそ 30 分で、8 時間の一日の 16 分の 1 にあたります。3,666.25 ÷ 16 = 229 バーツ。
同じ注文、同じ車、同じ日。容積で計れば 61 バーツ、実際に食べた分で計れば 229 バーツ、4 倍近くです。
これをルールに変えます。自社の路線で立ち寄り 1 か所が車両時間としておよそ 229 バーツの価値なら、配送の粗利率が 12% として、注文は自分の立ち寄り代を払うだけで 229 ÷ 0.12 = およそ 1,900 バーツの値打ちが要ります。便そのものには 1 バーツも貢献しないままで、です。自社の数字で走らせれば、受け継いだのではなく導き出した、説明できる最低ロットが手に入ります。
そして正しい単位で設定すること。 タイの最低ロットや送料無料のしきい値はたいていバーツで書かれていますが、バーツはトラックを満たしません。2 万バーツの軽い包装材と 2 万バーツの床タイルはまったく別の輸送の仕事で、片方は容積で先に一杯になり、もう片方は重量で先に一杯になります。自社の商品で先に尽きる単位、すなわちパレット、立方メートル、キログラムで最低ロットを決めてください。営業の会話用にバーツの数字を並べて置くのは構いませんが、効力を持たせるのは物理単位のほうです。
三つすべてがぶつかるタイの時計
運転できる一日。 陸上運送法 仏暦 2522 年 第 103 条の 2 により、労働保護法の定めに従うことを条件として、免許を受けた運転者は運転開始時から連続 4 時間を超えて運転できず、30 分以上続けて休息した場合に限り、同じ 24 時間のうちにさらに連続 4 時間まで運転できます。
この条文が何を言い、何を言っていないのかは、はっきりさせておく価値があります。緩く引用されがちだからです。同法が制限するのはハンドルを握る時間であって、距離ではありません。 コンケン大学の研究は車両 1 台 1 便を 480 キロに制限し、それをタイの運輸法によるものと記しています。しかし同法に 480 キロという規則はありません。あるのは 8 時間の運転で、480 とは時速 60 キロで 8 時間走った姿です。それはタイの幹線路線の計画値としては十分に妥当な数字であり、同時に法定の上限と呼ぶべきではないものです。平均速度が 45 になった瞬間に、3 分の 1 ずれるからです。
そして、遅い締め時刻を実際に罰するのがバンコクの高速道路の禁止時間帯です。 6 輪トラックは対象の高速道路で 06:00 から 09:00、および 16:00 から 20:00 に走行できません。10 輪以上のトラックとトレーラーは 06:00 から 09:00、および 15:00 から 21:00 に走行できません。
これを自社の締め時刻と並べて読んでください。ピッキングが午後遅くに終わるような締め時刻は、車両を閉じた扉に送り込んだのと同じです。20 時や 21 時まで待つか、遠回りするかのどちらかで、どちらも請求書に「当社の締めが遅すぎる」とは書かれません。バンコクとその周辺では、締め時刻は車両が 06:00 前に抜けるか、開いている日中に出発できるだけ早くなければなりません。この一点はしばしば締め時刻を前倒しする最も強い論拠であり、しかも意見ではなく確認できる事柄です。
月曜に変えられること
- 自社の三つの数字を書き出す。締め時刻、約束したリードタイム、最低ロットを調べずに言える人がいないなら、それ自体が発見
- 4 週間分の注文を到着時刻の累積で、配送日の物量に対して描く。いまの締め時刻より後ろの尾の形が、それを動かしたときに実際に失うサービスを教えてくれる
- 約束したリードタイムと、実際に出荷している日を比べる。3 日と約束して翌朝に出しているなら、2 日分の無料の積み合わせ時間を手放している
- その窓を、漠然とした約束ではなく地域ごとの公表出荷曜日に変える。そして値段のついた緊急経路を開けておき、本物の緊急が時刻表を食わないようにする
- 自社の路線で立ち寄り 1 か所がいくらかを出す。典型的な 1 便の固定費と距離費を、それが占める車両可用日の 30 分単位の数で割る。その数字が最低ロットの越えるべき床
- 最低ロットと送料無料のしきい値がどの単位で書かれているかを見る。バーツならパレット、立方メートル、キログラムに換算し、どの顧客が陣営を変えるか見る
- 締め時刻を高速道路の禁止時間帯に重ねる。積み込みが 15 時や 16 時より後に終わっているなら、その締め時刻は運送会社に閉じた道路を買っており、それは見えないまま払っている費用
- 一つ目の表の右の列を埋めたうえで、商務ルールの持ち主のところへ持っていく。これらは輸送部門の決定ではなく、輸送部門だけでは変えられない
ここに配車の問題はひとつもありません。ルートを組み直しても期待より戻りが小さいのはそのためです。配車担当は受注ルールが配った手札で打っているだけで、共有を許す仕事の母集団をどこまで広く取るかが、どんなアルゴリズムが走るより先に勝負を決めています。締め時刻、リードタイム、最低ロットが、その母集団の幅を決める三つのつまみです。それらは輸送部門の外側にあり、だからこそ誰も見に行ったことがないのです。
