同じ生産ロットから出た2件の注文、車で1時間半ほど離れた2社の顧客。会議室で誰かが「1台にまとめて積めばいい」と言う。別の誰かが「2社目の納品時間枠に間に合わない」と言う。誰も数字を持っていないので、声の大きい方が勝つ。そして翌月、別の注文の組み合わせで同じ議論がまた起きる。
これは、貨物輸送のなかで本当に答えが出る数少ない問いのひとつです。経験則ではなく答えであり、地図と電卓があれば10分で出せます。その手順を示します。
節約分には形があり、その形は三角形
まず幾何から始めます。多くの人の直感が外れるのは、ちょうどここだからです。
自社の拠点をO、2つの納品先をAとBとします。自社からAまでの距離を a、Bまでを b、AとBの間を c とします。
2台を出してそれぞれ往復させると、車両が走る合計は 2a + 2b。1台で両方を回ると a + b + c。差を取れば、2つの納品先をつなぐことで節約できる距離は、
a + b − c
これがすべてです。配車ソフトの残りの部分は、この式をあり得るすべての組に当てはめ、節約の大きい順に並べているだけです。
数字を入れてみます。Aが60キロ先、Bが75キロ先、2つの納品先の間が25キロだとします。
| 走行距離 | |
|---|---|
| 2台、1台につき1か所 | 2(60) + 2(75) = 270キロ |
| 1台で2か所 | 60 + 75 + 25 = 160キロ |
| 節約 | 110キロ |
次にBを自社の反対側へ動かします。60と75は同じで、2つの納品先の間が130キロになります。
| 走行距離 | |
|---|---|
| 2台、1台につき1か所 | 270キロ |
| 1台で2か所 | 60 + 75 + 130 = 265キロ |
| 節約 | 5キロ |
表の上では同じに見える2件の仕事のうち、一方はまったく何も節約できません。目で見て判断する版はこうです。
2つの納品先が、自社から見た距離よりも互いに近いとき、まとめる価値が出ます。 納品先どうしをつなぐ区間が、そこへ出て行く区間より長くなった時点で三角形はつぶれており、あなたが組んでいるのはルートではなく回り道です。
計測についての実務的な注意をひとつ。直線ではなく道路距離を使ってください。川が1本あるだけで、あるいは工業団地のゲートが一方通行なだけで、短く見えた区間が倍になります。手早く見積もるなら、直線距離を測って約1.2倍する、というのが一般的な近似です。
キロメートルは賞金のごく一部
雑な計算が誤るのはここです。節約分を燃料だと考えてしまうからです。タイの研究が2件、まさに上の式を使い、まったく形の違う答えを出しています。その違いこそが役に立つ部分です。
ロイエット県カセートウィサイ郡のコミュニティ企業は、8郡43社の買主へジャスミン米を配送していました。従来は8つのルートで675キロを走り、44.82リットルを使い、1配送ラウンドあたり954バーツ。距離、費用、積載重量の制約のもとで経路を組み直すと、同じ43社が3ルート413キロ、27.53リットル、586バーツでまかなえました。
距離は38.8パーセント減、費用は38.6パーセント減。ほぼ完全に連動しており、それには理由があります。どちらの費用をどちらの燃料量で割っても、2回とも1リットル21.29バーツになる。この研究は燃料費だけを計算していたのです。節約分が距離に連動するのは当然でした。
チョンブリーのある運送事業者は、顧客の工場から部品、書類、人員を運んでいます。自社の3か月分の業務記録では、顧客4社に月76件、車両6台、すべての案件をそれぞれ独立した直行便として走らせていました。基準値は月間12,351.75キロ、125,998.00バーツ。同じ節約法を適用し、さらに各案件の重量を使って車種も選び直した結果は、月間10,671.40キロ、82,334.36バーツ。
距離は13.60パーセント減。費用は 34.65パーセント減。
距離はわずかに減り、金額は3分の1以上減りました。経路表がその理由を示しています。この見直しは、どの案件を一緒に運ぶかを決めただけでなく、多くの案件でどの車を出すかを変え、小さな荷物をピックアップからバンへ移していました。効いたのはキロ数ではなく、使った車両の稼働日数と、その日に出た車の大きさだったということです。
これが判断に持ち込むべき理解です。輸送費の大半は1キロあたりの費用ではなく1日あたりの費用なので、2つの納品先をまとめて得られる賞金はおおむね 車両1日分まるごと であり、燃料費は端数です。国全体の規模でも、これが2024年にNESDCが見たものでした。タイの道路貨物のトン数が11.4パーセント伸びる一方で輸送費は下がり、それは運送事業者が複数の荷主の貨物を似た経路に沿ってまとめ、車を満載にした結果だと読まれています。同じ固定費を、より多くの貨物に薄く広げたということです。
そこで問いが反転します。計算上は1台がほぼ必ず安いのだから、この判断は費用の問題ではありません。収まるかどうかの問題です。
荷物が収まらなければならない4つの枠
まとめられるならまとめた方が安い。だからこの作業は、まとめられるかどうかを確認することがすべてです。天井は4つ、たいてい先に当たる順に並べます。
1. 1日
複数納品の計画をいちばん多く潰すのはこれで、潰しているのは距離ではありません。
タイの陸上運送業務における従業員の労働日は8時間、書面による同意があれば時間外を2時間まで、そして次の労働日を始めるまでに少なくとも10時間を置かなければなりません。10時間の労働時間が、あなたが荷物を詰め込もうとしている天井であり、先に尽きるのはトラックではなくドライバーの1日です。
落とし穴は、納品先ひとつひとつが、荷物の量にかかわらずその1日の固定した一塊を消費することです。到着、ゲート、書類、バース待ち、荷下ろし、受領サイン、車両の解放。20パレットではなく4パレットを届けても、この部分はほとんど短くなりません。
だから意味のある計算はキロ数ではなく納品先の数です。総運転時間4時間、納品先での所要が平均45分という路線で見てみます。
| 納品先 | 運転 | 納品先での時間 | 出発前の積込 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 2 | 4時間00 | 1時間30 | 1時間30 | 7時間00 |
| 3 | 4時間15 | 2時間15 | 1時間30 | 8時間00 |
| 4 | 4時間30 | 3時間00 | 1時間30 | 9時間00 |
| 5 | 4時間45 | 3時間45 | 1時間30 | 10時間00 |
| 6 | 5時間00 | 4時間30 | 1時間30 | 11時間00 |
真ん中の2列を突き合わせて読んでください。納品先をひとつ増やすと運転時間は15分ずつしか増えません。定義上、互いに近い納品先しかまとめないからです。一方で納品先での時間は45分ずつ増えます。1日を食いつぶすのは停車回数であって、地図ではありません。 「もう1か所いけるか」という問いの答えが急に変わるのはこのためです。1日が尽きるまでは何も問題が起きず、尽きた瞬間にすべてが同時に壊れます。
他人の数字を使う前に、自社の数字を測ってください。各納品先について直近20回の入門から出門までの時間を取り出し、平均ではなく遅い方を使います。習慣的に2時間かかる納品先は納品先ではなく半日であり、単独の車に載せるべきものです。
2. 車両
ここには天井が2つあり、同じものではありません。
製造品や梱包品では、たいてい容積が先に効きます。重量が上限に近づくよりずっと前に荷台が埋まるなら、下の重量規定はあなたの答えを決めていません。そのときの本当の論点は車格の選び方です。
密度の高い貨物では重量が効き、こちらは商業的な選択の余地がありません。道路法仏暦2535年第61条により、道路管理者は定めた重量を超える車両の通行を禁じる告示を官報に出すことができ、現在使われている表は2005年12月28日に公示され以後何度も改正された告示に由来します。覚えておく価値のある数字が2つ。
| 車両 | 最大総重量 |
|---|---|
| 3軸10輪の単車 | 25トン |
| 6軸22輪のセミトレーラ連結車 | 50.5トン |
この数字について誤解されやすい点が3つ。第一に、これは総重量であり車両自体の重量を含みます。積める荷物はその残りです。第二に、適用されるのは高速道路、国道、有料道路です。それがこの告示の範囲であり、地方道や市町村道はそれぞれの管理機関が別に告示するので、同じ1台の下で途中から天井が変わり得ます。第三に、違反は商取引上の問題ではありません。第73条の2により、6か月以下の拘禁、1万バーツ以下の罰金、またはその併科です。
合算した荷が上限を超えるなら、その議論は最初から存在しませんでした。もともと2台を出すしかなかったのです。
3. 納品時間枠
2社ともが9時から11時を譲らないなら、三角形が何と言おうと2台です。1台を同時に2か所へ置く計算式は存在しません。
これは受け入れるより交渉する価値があります。納品時間枠は、必要だから決まっているのではなく、引き継がれてきただけということが実に多いからです。2日目の車両費を払う前に、2つの時間枠のうちどちらが受入側の本当の制約で、どちらが2019年に誰かが書式に書き込んだだけのものかを突き止めてください。片方の時間枠を2時間広げることは、電話1本の費用で得られる、たいていいちばん安い運賃削減です。
4. 順番
最後に降ろすものを最初に積まなければなりません。当たり前に聞こえますが、トラックが最初のゲートに着くまで忘れられているのが常です。
崩れ方は2通り。納品順は時間枠が決め、積込順はラインから先に出たものが決める。この2つが合わず、誰かが朝5時に積み直す。あるいは誰も気づかず、ドライバーが1か所目の荷物に手を届かせるために2か所目の荷物を半分だけ路肩に降ろすことになる。雨の中、路肩で、時計は動いたままです。それは納品先での時間を二重に払い、その上で貨物損傷のリスクをただで引き受けているということです。
積み付けの後ではなく前に確認してください。時間枠が要求する順番が積める順番でないなら、それは分けるべき本物の理由であり、しかも人がいちばん遅く気づく理由です。
1台が束ねるもの、2台が散らすもの
費用比較には決して現れないが、現れるべき最後の論点です。
1台はリスクを1本の鎖につなぎます。 1か所目での2時間待ちは、2時間の問題ではありません。4か所目の時間枠を落とし、帰路でドライバーの法定労働時間が尽きるという問題です。2台なら同じ遅れは顧客1社にとどまります。だからどの案件をまとめるか決めるときは、どの納品先が実際に時間どおり車を解放しているかを見て、当てにならない先を順番の最後に置くか、単独の車に載せてください。
1台は損傷クレームもぼやけさせます。 荷は停車のたびに動かされ、受領は荷受人ごとに別々に行われます。3か所目で見つかった破損が、1か所目の荷を掘り出すときに生じていた可能性は十分にあります。これは運送人が負う責任の範囲を変えるものではありませんが、どこで起きたかを証明する難しさを変えます。手当ては安価で、最後の1か所だけでなく各納品先で署名入りの状態確認書を取ることです。
5行のテスト
順番に実施し、最初に落ちたところで止めます。
- 三角形を測る。 2つの納品先の間の距離は、自社からそれぞれまでの距離より短いか。そうでなければ、まとめても何も節約できません。2台出してください
- 納品先の時間を1日に足す。 運転時間に、自分で測った各停車地の入門から出門までの時間、そして積込時間を足し、10時間の労働時間と突き合わせます。収まらないものは、価格交渉では収まりません
- 車両の天井を両方確認する。 まず容積、次に走行する道路種別ごとの法定上限に対する総重量
- 経路が要求する順番のもとで、納品時間枠が両立するかを確認する。 あわせて、厳しい方の枠が本物かを確認します
- 納品順が積込順でもあり得るかを確認する。
5つすべてを通れば、1台の方がおよそ車両1日分安くなります。それは、あなた方が議論していた燃料費の差よりはるかに大きな数字です。ひとつでも落ちれば、無理に通す代償は2台目より高くつきます。時間外手当、落とした時間枠、再配送、あるいは誰にも原因箇所を特定できない破損パレットとして。
月曜から変えられること
- 常用する納品先ごとに入門から出門までの時間を測り、平均ではなく遅い方の数字を名前の横に書く。この一覧だけで、地図よりも多くのこの種の議論が決まります
- まとめた運行を提案する前に三角形を描く。2つの納品先が自社より互いに遠いなら、提案しないこと
- 1日が埋まったかを問うときは、キロ数ではなく納品先の数を数える。停車を足しても距離はゆっくりしか伸びませんが、納品先での時間はそうではありません
- 自社でいちばん密度の高い満載時の総重量を調べ、25トンと、走行する道路種別に照らす。積載重量ではなく総重量で
- 自社の納品時間枠のうち、受入側で本当に必要なものはどれかを聞く。必要でないものは、ただで手に入る輸送能力です
- 時間枠が要求する順番が、荷を積める順番であることを、積み付けの前に確認する
- いちばん当てにならない納品先は、まとめた順番の最後に置くか、単独の車に載せる。1件の遅延を4件に変えるのはそこです
- 複数納品の運行では、最後の1か所だけでなく各停車地で署名入りの状態確認書を取る
これは1台がよいとも2台がよいとも主張していません。惰性で誤った方に金を払うのをやめるための手順であり、惰性は両方向に外れます。何でも分ける荷主は要らない車両稼働日を買っており、何でもまとめる荷主は時間外手当と落とした時間枠と誰も決着させられないクレームでその代金を払っています。
